山野草の魅力を伝える庭園
つどいの里は、かつて身近な山や林で出会えた山野草の風景を、もう一度今の時代に取り戻すために生まれました。
少子高齢化や山林の荒廃により、今では見かけなくなった草花を、1万5000坪の林に少しずつ植え、整えてきました。
その数、約60万株。季節ごとに咲く植物は異なり、訪れるたびに新しい景色と出会えます。
この場所にあるのは、かつて確かにあった自然の記憶と、それを未来に残したいというひとつの願いです。
観光施設ではなく「暮らしのそばにある自然」としてありたいと考えています。
日常の延長線上で、誰もが気軽に自然とふれあえるように、過度な整備や人工的な演出をせず、できる限り自然の姿を大切に残しています。
高齢の方も安心して歩けるよう配慮された道、静かに佇む草花、耳をすませば聴こえる鳥の声や風の音。
この場所が、人々にとって身近な癒しや、ふと思い出す記憶の一部になれたら
――そんな想いをこめて整備と運営を続けています。
あの頃見た風景を、 もう一度この手で。
子どもの頃、山や林を歩けば、当たり前のように山野草や季節の草花が咲いていました。
しかし今、手入れの行き届かない山や里では、それらの風景が少しずつ消えてきています。
このままでは、あの花も、あの景色も、記憶の中にしか残らなくなる。だから私はこの場所を整え、山野草を植え、季節ごとに花が咲き、誰かの心に残る風景をもう一度つくりたいと思いました。
自然を大げさに飾ることなく、静かに咲く花の美しさを感じてもらえる場所を、これからも大切に育てていきます。
2005年にオープン。地域の自然と共に歩む拠点として、植木販売や庭づくりに必要な基盤を整備しながら、多様な緑を提供できる体制を構築。暮らしに寄り添う緑化サービスを目指し、事業をスタートいたしました。
2007年からは植木の剪定・販売にも力を入れ、樹木の健康維持と美しい景観づくりを支える技術を培ってきました。顧客ニーズに寄り添いながら、地域の庭や緑地の質向上に貢献する体制をさらに強化しました。
2010年には生産圃場を拡張し、より豊富で安定した植物供給を実現しました。育成環境の充実により、珍しい野草や季節を彩る植物の取り扱いも拡大。訪れる方が自然と触れ合える機会を増やし、事業の幅を広げました。
2015年に野草園を拡大し、多様な植物と学びの場を提供。さらに2019年には、しいたけ栽培を新たに開始し、農の魅力を伝える取り組みも展開しています。2025年現在も、地域に根ざした事業として進化を続けています。
春には春の、夏には夏の、秋には秋の、それぞれの山野草が咲きます。季節ごとに違う植物が次々と開花するこの場所では、同じ風景に二度と出会うことはありません。
それがつどいの里の魅力であり、何度でも足を運びたくなる理由です。今ある景色を、今だけのものにせず、次に訪れる誰かのためにも残していくこと。
これからも、季節の変化とともに歩き、感じ、癒される場所として、つどいの里は静かに歩み続けます。